情熱湖国 米農家『立見茂』 後半

つなぐ2年目突入特別企画として、立見さんのインタビューを行いました。

後半戦の今回は、生きる場所について、konefa農家アートなど農業以外の活動や未来についてお聞きしています。

 

※携帯やスマートフォンだと見辛いと思います。出来ればパソコン(パソコン表示)で御覧下さい。

堀越

 

 

 

 

立見

 

 

 

 

 

 

 

 

堀越

 

 

 

立見

 

 

堀越

 

立見

 

 

堀越

 

 

 

立見

 

 

堀越

 

 

 

 

立見

 

 

 

堀越

ちょっと仕事のことを離れた質問をさせて下さい。最近、生きる場所ということについて、よく考えるのですが…あ、その前に、田舎や地方って言葉なのですが、差別用語として感じられたりしますか?いつも使う時に少し抵抗を感じるのですが…。

 

それはないですね。人やメディアによっては、世界で表したら発展途上国みたいな感じに田舎が扱われる場合はありますが。

「この田舎者が!」みたいにね。

ただ、今は田舎にコンプレックスがまったくないので有難いことに腹も立たない(笑)

都会から高島市に移住されたワダマキさんも言っていましたが、都会の交通網だとか夜が明るかったり、お店がいっぱいあったりっていうのを便利で進んでいていいことだと捉えるかどうかは人それぞれですよね。


仰る通りですね。

では、質問させて下さい。立見さんがお住まいの湖北で1番好きな場所はどこですか?

 

特にココという場所は無いかもしれません。ただ、仕事が終わって、誰もいない田んぼを眺めながら、ぼぉーっとする時に流れる何気ない空気が好きです。

 

何度かお昼を一緒に食べた、田んぼの隣にある高時川沿いとか最高ですよね。

 

はい。せっかく自然の中で仕事をしているわけですし、昼食もできれば外で食べたいですよね。

 

ボクは、この立見さんの小屋の前から、田んぼ越しに向こうの山までの景色を見るのが大好きなんです。空もバァーッと広くて。今まで来る度に写真を撮らせて頂いていますが、必ずその日に一枚この景色が撮ってあります。

 

結構そう言っていただくことがあります。大きな川と大きな山がすぐ近くにあって良い場所だね、と。

 

それに、田んぼの脇を山からの水が流れているのも素敵なのですが、立見さんの御実家も含め、この辺の集落の家の前には川が流れているじゃないですか?それがもう、羨ましくて。川の流れで家の周りの空気は絶え間なく動いていて、悪い気なんてどこかに行ってしまいますよね。夏には子供たちが遊んでいるし。

 

確かに、あれだけの川が家の前に流れているって珍しいかもしれませんね。ただ、ボクはそれが当たり前過ぎて、人に言われるまで良さに気付かなかったですけど。

 

羨まし過ぎる当たり前ですよ。


堀越

 

 

 

立見

 

 

 

 

堀越

 

立見

 

堀越

 

 

立見

 

 

堀越

最近、ボクのように、地方で生きることに憧れを持つ人が増えたり、世間では田舎暮らしという言葉が盛んに使われている気がします。この風潮をどう思いますか?

 

それだけ都会での暮らしが疲れるってことなのかな?
ただ、田舎に行けばゆっくりと時間が流れていて、ゆっくり暮らせるというのは、安直過ぎるかと思います。地域にもよりますが、それなりに煩わしいと思うことなどもありますし。


でも、なかなかそういうマイナスな面は、表に積極的に出てきませんよね。

 

そうですね。入ってみないと分からないことはたくさんあると思います。

 

あの、こんな時なので、思い切って聞きます。ボクみたいな都市部に生きる人が、憧れを抱いて一年以上ひっついて離れようとしないの迷惑ですか?

 

光栄なことですよ(笑)ボクを追いかける人がいるなんて想像もしていませんでしたから。

 

良かった(笑)


タケノコ採れて満足そうな人。こんな人が追いかけています。
タケノコ採れて満足そうな人。こんな人が追いかけています。

堀越

 

 

 

 

 

立見

 

 

 

 

 

 

 

堀越

 

 

 

立見

 

堀越

 

立見

 

 

 

 

 

 

 

 

堀越

 

立見

 

 

 

堀越

 

 

立見 

立見さんとお話しする中で、地域の集まりや祭りなど、仕事以外のイベントごとに結構時間を取られると聞きます。地方で生きていく中で、その土地土地の伝統と言いますか、イベントごとに参加するということは、そこに生きる楽しみでもあり、これが原因で地方を離れてしまう問題でもあると思います。立見さんは、これら地域のイベントについて今後どうしていくべきと思いますか?

 

祭りで言えば、昔は娯楽があまり無かったから、みんな夢中になってやっていたものでした。でも、今は祭りをしなくてもテレビやカラオケ、野外スポーツと他に娯楽が溢れているから、祭りにそういうものを求めている人は少なくなっていると思います。

だから、昔のやり方を押し付けるのではなく、今の時代にあった村付き合いの濃さに変えていく必要があるんじゃないかと思います。そうしないと若者の流出が止まらない….


なるほど。でも、これを解決するというのは難しいですね。地域の昔からの風潮を守るという意味もありますし、変えようとしても寄合などで意見を通していかないといけないですから。

 

そうなんですよ。これは本当に難しい。


都市部で再び生活したいと思いますか?

 

今は思わないですね(笑)たまに遊びに行くくらいなら良いですけど。やっぱりボクは田舎で育っているから、淡水魚が海水に投げ込まれるみたいな感じでどこか違和感があるんですよ。都会にも田舎にもそれぞれの良さがあるので、単純に比較はできませんが僕の場合はそうですね。

もちろん、色々な人がいるから、田舎育ちの人でも都会の方が暮らしやすいって人もいると思います。

ただ、「自分の住んでいる場所には何も無い」って決めつけてしまう人は、その場所に何も無いんじゃなくて、その人に何も無いんだと思います。


うわ!名言ですね!それ。

 

でもね、本当にそう思いますよ。18歳の頃のボクもそうでした。こんな田舎には何もないって出て行ったけど、そんな考えでいる人間は都会に行こうがどこに行こうが何も見つけられない。


本当にそう思います。どこにいても楽しそうにしている人って魅力的ですもんね。

 

はい。楽しめる人はどこに暮らしたとしても、何の仕事をしたとしても楽しく暮らしていける。逆に愚痴っぽい人はどこに暮らしたとしても、どんな仕事をしたとしても愚痴をこぼすんじゃないかな。


堀越

 

 

 

 

立見

 

 

 

 

 

堀越

 

立見

 

 

堀越

 

立見

少し話しの方向性を変えますが、立見さんは、konefaや農家アート、kokokuなど、一般の農家さんのイメージとは異なる活動をいくつかされています。それらについて聞かせて下さい。

konefaの活動をするようになって良かったことはなんでしょうか

 

日本中の農家が望んでも望んでも出来ないようなことをたくさん経験させていただいたことですね。

まぁ、日本中の農家が遊んでる時も寝ている時も、その間ボクはずっと起きて考えていましたけどね(笑)人よりも何かしたいと思ったら、人よりも考える時間を持たなければなりませんからそれは当然のことですが。


具体的に得られたものというのは?

 

人とのつながり、農業のやりがいや楽しみ方など、本当に色々なことを得ることができました。180度変わりましたね、農業や仕事に対する意識などが。


やりがいというのは、人から評価されることですか?

 

それは大事ですね。それまでの7年くらいは誰からも評価されることなんてなかったですから。


konefa
撮影 MOTOKO

堀越

 

 

立見

 

 

 

 

 

 

 

 

堀越

 

立見

 

 

 

堀越

 

立見

 

 

 

堀越

 

立見

 

 

 

 

 

 

堀越

 

 

立見

その評価されるということを知ったのは、grafさんkonefaとして初めてやられたイベントの時でしょうか?

 

2009の年末写真家のMOTOKOさんと出会い、MOTOKOさんの発案でそのイベントを開催することになりました。申し訳ないのですが、その時はgrafさんの存在すら知りませんでした。だから、よくわからないまま進んでいて。イベントは昼にマルシェをやって、夜にトークショーだったのですが、農家の話を誰が聞きに来るの?と思っていましたね。

それで、半信半疑のまま、いざ当日を迎えてみたらトークショーは満席で、終わりにはすごい拍手をもらって。

その時にスイッチが入りましたね。


その頃ってFacebookとかtwitterとか、そんなに盛んじゃなかったですよね?

 

そうですね。ボクなんてパソコンのメールアドレスが適当に作ったyaidahitomi@でしたから(笑)それまではパソコンを使って誰かとやり取りしたこともなかったですね。


それで、満席ってすごいですね。

 

MOTOKOさんやgrafさんなどのご協力のおかげです。

何もかもが初めてで右も左もわからない自分を、最後まであたたかく支えていただいて本当に感謝しています。


その出来事が、今農業をやることで感じているやりがいにつながるんですね。


自分の仕事や活動に誇りを持つことの大切さを知りました。

自分のやっていることにやり甲斐を感じるのは、誰かに認めてもらえた時。その瞬間を体感できる機会が農業には少なかった。

農業界も農家もずっと閉鎖的なところがあって。

お米や野菜と同じで、農業も農家も風通しが悪いと腐ってきてしまうんじゃないかと思います。


確かに、作って卸して終わりの繰り返しで、消費者の方と会うことがない状態では、そのような気付きをもらうのは難しいですね。

 

そういうことを見越して、MOTOKOさんやgrafさん、堀田さんたちが、外の視点から見てボクらをデザインしてくれた。

農業界、農家からは見えない視点からの新しいデザインです。


堀越

 

 

 

立見

 

 

 

 

 

 

 

堀越

 

立見

 

 

 

 

 

堀越

農家アートでアーティストの方々と一緒になって展示や活動をされましたよね。konefaでの活動とは異なり、全く分野の違うアーティストの方々と時間を共にして得られたことは何でしたか?

 

アートとは無縁の生活をしていたので、これがなかったら、アートやアーティストの方と触れ合うことは一生なかったのかな?と思います。

農家アートのスローガンとして、「つくってるひととなかよくなれば、つくられたものはもっとおいしい」というのがあって、農家さんと知り合うとその人の作ったものは、もっと美味しく感じるという意味なのですが、それと一緒でアーティストの方と仲良くなると、その人の描いた絵だったり写した写真だったりがすごく魅力的に感じて、意識して観るようになりましたね。


あのスローガンは巧いと思いました。

 

これは何に対しても言えることですよね。作っている人と知り合いになると、つくられたものに対しての想いも変わるというのは。家具だって器だって。

あと、農家アートというイベントなので、農業には興味の無かった人でもアートに興味があって来てくれたり、その逆だったり両方の人が来てくれたので、広がりがありましたね。


なるほど。面白い取り組みですよね。


農家アートat 尾賀商店
撮影 MOTOKO

堀越

 

 

立見

 

 

 

 

堀越

 

立見

 

堀越

 

 

立見

 

 

 

堀越

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立見

 

 

 

 

堀越

 

 

 

 

立見

 

 

 

堀越

 

 

立見

立見さんの未来のことを聞かせて下さい。

自分の子供に将来農業をやって欲しいですか?

 

いや、思わないですね。好きなことをやって欲しいです。

うちの親は、小さい頃から好きなことやっても良いけど、甘えずに自分の力で何とかしろよという感じでした。中学の時にCDラジカセが欲しかったんですが、親は買ってくれないから、新聞配達をして買いました。


本当ですか?すごいですね…。

 

自分が欲しいものがあれば、自分で取りに行けという感じでした


未来のことじゃないですけど、今まで稲作をやってきて1番嬉しかった出来事は何ですか?

 

1番を選ぶのは難しいですね…。konefaで言えば、田んぼにたくさんの人が集まっている風景を見た時ですね。

今までは、田んぼに人が来るようなことが無かったですから。

 

ボクは、東日本大震災をきっかけに、立見さんの取材をさせて頂くようになりました。それは、これからの社会では、会社に頼るだけ、表面だけの情報だけで生きていくことは怖いと思い、自分を見直すためにも自分とは異なる人と実際に深く関わりたいと思ったからです。

そして、これからは少しでも自給的な生活が出来る術を持つことが必要だと思うようになりました。自給率の低下やTPPなど食の未来が不透明な今だからこそ、自分自身で少しでも出来るようにならなければ、知らない国の人が作った得体の知れないようなものしか食べられなくなるんじゃないか?とさえ思います。

だから、これからの社会では、地方に生きる人たちが持つ生きる術や人のつながりが必要なのではないかと思います。立見さんは、これからの社会を生きる中で、大切だと思うことは何ですか?

 

う…ん。

人情じゃないですか?(笑)
この先、世の中がどうなっていくのかとか難しいことはよくわかりませんが、どんなに時代が変わってもそこだけは変わらないと思います。


人情!さすが(笑)でも、本当にそうかもしれませんね。

 

では、最後の質問をさせて下さい。

立見さんにとってお米とは?

 

自分の子供みたいなところがありますね。

出来の良い子もいれば、出来の悪い子もいて、病気になっちゃう子もいるし。

せっかくお嫁に行くのなら、みんな幸せになって欲しいといつも思っています。


嬉しいですね。そんな愛情込めて育てられた子供達を迎えられるボクらは。

今日は、本当に素敵なお話をして頂き、ありがとうございました。

 

こちらこそ、ありがとうございました。

 


インタビューの中に名前が登場された方々の詳細はこちらを御覧下さい。

MOTOKO( http://info.mili.jp/profile-works/motoko )
graf
( http://www.graf-d3.com 

堀田裕介( http://welcametofoodscape.blogspot.jp 

ワダマキ( http://mazarbebracha.com 

冨田酒造( http://www.7yari.co.jp )

純野菜王国( http://junoukoku.com )

 

konefa( http://konefa.com 

農家アート( http://www.facebook.com/noukaart )

KOKOKU( http://www.facebook.com/KOKOKU.shiga )

〜お知らせ〜

 

2013/09/09

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